2023年7月24日
重度障害児入所施設・療養介護施設
あゆみの郷 施設長 田淵 英一 (昭和62年医学科卒)
富山大学医学部同窓会の前身である富山医科薬科大学医学部同窓会が1984年に創立されたのが本会発足の始まりです。私は、大学・大学院を卒業して助手になった頃から本会に携わるようになり、1996年から本会理事長(2代目)に、2014年から本会会長に就任しました。ただ会長就任とはいっても、本会は有志によるボランティア団体ですので、会長・理事長・理事の推薦があり、本人のやる気があれば大抵OKがもらえます(理事会・総会決議)。
本会の目的は、「会員相互の親睦を図り、母校の発展並びに医学の進歩に寄与すること」と会則に明記されており、この主旨に沿って様々な活動を展開しています。しかし昨今では、国および大学からの強い要請を受けて大学支援の比率が大きくなっています。
理事の方々は、ボランティア精神や母校愛があって協力してくれているので居心地がよく、また最近では、医学科および看護学科の学生委員を学年ごとに設定しているので、学生さんたちの生の声を聞けるのが楽しいです。
ところで母校の現状ですが、国からの研究費・教育費補助金の大幅な削減(全国一律)に加えて、厳しい倫理規制から、以前と比べて残念ながら、研究業績がかなり減っています。しかしその反面、医学教育や医療は、以前とは比べものにならないほどに充実して改善されています。出身者の私が言うのもなんですが、今では安心して母校や附属病院の各診療科を紹介できるようになりました。
以前はなかった富山県や富山市からの支援も近年かなり増えており、地域枠・特別枠入試による優秀な県内人材が地元富山で医療を支える仕組みの確立、ヘリポートの設置、念願であった市中病院(まちなか診療所)も遂にできるなど富山県や富山市との連携協定の下で地域の連携医療が着実に強化されています。
このように母校も昔と比べて大きく様変わりしており、 最先端医療および地域医療の拠点として活躍しています。
最後になりますが、2025年には富山大学医学部が設置50周年を迎えます。なんと富山医科薬科大学が1976年に開設してから遂に半世紀が経つのです。これは、とくに私を含め開設初期に在籍していた卒業生達にとっては、想像をはるかに超えるイベントかと思います。なにしろ、大学設置に携わった関係者の方々は皆さん他界されており、初期におられた教職員の方々も極わずかしかご存命ではありません。この間、会員の皆様一人一人が本当に様々な経験をされてきたことと思います。
そこで、富山大学医学部では富山大学医学部設置50周年記念事業を計画しており、この機に会員の皆様のお力を借りて寄付を募り、半世紀の軌跡を残したいと考えております。母校への恩返しの気持ちでご寄付いただければ、大変幸甚でございます。
寄付金の受付は、本会ホームページのバナー『富山大学医学部設置50周年富山大学医学部基金』をクリックして詳しい内容をご確認ください。税金控除対象となっておりますので、高額所得者ほど高い控除額が得られます。
会員の皆様におきましては、どうか健康には十分ご留意の上、今後益々ご活躍いただくとともに、本同窓会への温かいご支援・ご協力を宜しくお願いいたします。また、大学祭やホームカミングデーなどを利用して、是非母校を訪れていただければ大変幸甚でございます。
2023年7月5日
富山大学
医学部 整形外科教授 川口 善治(医学科 昭和63年卒)
2023年4月より富山大学医学部同窓会理事長を仰せつかりました川口善治です。私は1988年(昭和63年)に富山医科薬科大学医学部を卒業しました。大学医学部の卒業生としては第7回生となります。我々の先輩で、第1回生であり理事長職を長くお勤めになられた足立小児科前教授の後を受けて、この度大役を担うこととなりました。私は、これまで同窓会の活動には理事として会議や入学式、卒業式などの式典に参加させていただいておりました。また現在は富山大学医学部整形外科教授として診療、研究、教育に携わらせていただいております。同窓会員の皆様におかれましては、この場を借りてご挨拶をさせていただきたいと思います。何卒よろしくお願い申し上げます。
1975年に開学した富山医科薬科大学は、途中富山大学に名称を変更いたしましたが、医学部としては2025年に50周年を迎えます。建学の理念は「里仁為美」(論語)(仁におるをよしとなす)であり、これは仁の精神(思いやりの心)で何事にも取り組むべきということを意味します。杉谷キャンパスの入り口には当時の文部大臣 永井道雄氏による揮毫の碑が建てられており、ご存じの方も多いと思います。設立当初の医学部は医学科のみでありましたが、1993年より看護学科が併設され2005年再編・統合により富山大学医学部となりました。現在までに医師3958名、看護師1707名、保健師1859名、助産師128名を輩出し、これらの卒業生が保健、医療、教育、研究、行政の各領域で活躍しています。アカデミアにおいても卒業生が教育職を務める教室が増えてきています。また富山県医師会長である村上美也子先生や富山県議会議員の種部恭子先生も富山医科薬科大学の卒業生です。
50年といいますと思い出されるのは、論語の「五十知名」、すなわち「五十にして天命を知る」、という言葉です。我々の富山大学医学部の天命は何でしょうか?私は、第一に地域医療への貢献を上げたいと思っております。富山の医療は我々富山大学医学部の卒業生が責任を持って担う、そのような心掛けで富山大学附属病院を中心とした関連病院では患者さんに信頼される医療を行う必要があると思っております。また第二に大学の医学部では、最先端の研究を展開しこれを世界に発信することも当然求められております。オリジナリティーのある発想からその成果を世の中に問うという姿勢が必要であり、アカデミアとしても内外から期待されるところでありましょう。さらに第三にこれらを担う有意な若い医療人、研究者を継続的に育てるという教育も重要であると考えています。富山大学医学部の発展は卒業生の貢献なくしてはありえません。志を同じくする仲間を増やすために今後の学部および卒後教育に大いに期待したいと思っております。
同窓会という組織は、もちろん同窓生間の親睦・懇親、母校・後輩への後援などを目的としております。中でも私は、富山大学医学部同窓会は、富山で医学を学びたいと思った同志が集い、富山大学で学んだことを誇りに思って、同窓会員が人と人との繋がりを大切にする組織でありたいと思っております。2025年には開学50周年を記念し、記念事業として教育センターの設立や種々の講演会などのイベントを計画しています。同窓会員の方々には、物心両面にわたってご協力を仰ぐことになろうかと思います。何卒ご理解、ご協力のほど心よりお願い申し上げます。